Shipment Quantity出荷数量&生産者のひとこと

  • 業界の認識不足

本日の出荷は492ケース

沖縄地方が随分と早く梅雨明けした。
こちらはまだ梅雨が始まったばかりで先は長い。
この時期に多発するのが、最も厄介な病気である花のボト。
この病気の厄介なところは採花後数日たってから発症することである。
生産者段階で発症することはなく
花屋さんの手に渡ってから発症するため
非常に困った病気なのである。
ボト菌は、どこにでもいる浮遊菌である。
耐性の強弱はあるが、人の傷口から雑菌が入るのと同じように
花弁の傷ついた部分や弱い部分から侵入して分生、菌糸を伸ばし発症する。

冷蔵庫や輸送中の段ボール、花市場や仲卸の保管状態や
花屋さんのストッカーの湿度など、起因はどこにでも存在する。
梅雨時の日本列島はいつでもどこでも多湿状態であり、
条件が揃えばいつ発症してもおかしくないといえる。
花ボトを、すべて生産農家の責任にする事には大いに疑問がある。
花シミと花ボトはまったく質の違うものだ。

先駆の生産農家はボト対策に温室内の除湿に力を入れ、
一にも二にも除湿、除湿と、神経を尖らせている。
花市場や仲卸、花屋さんはどうだろう。
除湿が無理ならば、せめて管理はどうか。
着荷してからセリまでは10時間もある。
すぐにふたを開放し風通しを良くしたり、大型扇風機で空気を回したり
段ボールに風をあてるだけでも効果はある。
市場が扱うのは今から売る商品だ。
花屋さんでもできることはある。
10本の花の中で一枚の花びらにボトが見つかれば
すぐにその花びらを取ることで分生子や菌糸の増殖は
抑えられる。花びらを取らずに半日でも放置すれば
残りの9本にも分生胞子は移っていく。
密閉空間であるキーパー庫内は菌が蔓延しやすく
新鮮な空気を取り入れることが重要だ。
5℃の条件でもボト菌は活性する。
キーパーに入れっぱなしではなく、手入れすることで
かなり防ぐことができる。

もちろん、生産農家として責任逃れするつもりなど更々ない。
いままで以上に改善と努力は必要である。
花ボトは、業界すべてが取り組まないと
絶対に防げない病気であると断言する。
こういった当たり前の知識を講習会などを通じて
花屋さんに認識してもらうことも市場の仕事であると思う。
誤解を恐れずにもう一度言う
「ボト菌は、どこにでもいる浮遊菌である」
そしてそれは多くの花が集まる場所に、より多く集まっている。

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